@article{oai:naragakuen.repo.nii.ac.jp:00001311, author = {山本, 美紀 and 筒井, はる香 and Yamamoto, Miki and Tsutsui, Haruka}, journal = {奈良学園大学紀要, Bulletin of Naragakuen University}, month = {Sep}, note = {本論文は、鍵盤ハーモニカの学習が初等教育の「器楽の活動」および「表現教材」においてどのような役割を果たしているのかを、現行の教科書『音楽のおくりもの』と『小学生のおんがく』の教師用指導書の分析を通して明らかにすることを目的としている。  第一章では、器楽の活動における鍵盤ハーモニカ学習の観点から考察した。指導書のなかでは、鍵盤ハーモニカの奏法が、リコーダーやオルガンと共通していることが示され、鍵盤ハーモニカが吹奏楽器や鍵盤楽器の導入的役割を果たしていることを指摘した。第二章では、表現教材のなかでの鍵盤ハーモニカ学習の役割の観点に注目した。 教科書に掲載されている合奏曲では、鍵盤ハーモニカはつねに旋律パートを担当しており、リコーダーとともに旋律楽器として機能していることを明らかにした。  上記の分析を踏まえて第三章では、音楽科のなかで鍵盤ハーモニカ学習の位置づけが不安定であるとみなされる要因を考察した。第一に、鍵盤ハーモニカと吹奏楽器の奏法上の共通点が指導書のなかで示されてはいるものの、それらをどのように関連づけて指導すべきか具体的に記されておらず、結果として二つの楽器の共通点や、導入楽器としての鍵盤ハーモニカ学習の重要性に気づかれにくい結果をもたらしている。第二に、鍵盤楽器としての導入楽器としての位置づけが曖昧であることである。鍵盤ハーモニカとオルガンとの共通点が指導書において示されてはいたが、運指の教授法を見る限りにおいて、鍵盤楽器の特性を十分考慮されていないように思われる。階名と運指を常に対応させる教授法は、導入の段階においては効果的であるかもしれないが、やがて限界の時期が訪れるであろう。運指法は常に階名と結びついているわけではない。それは音楽の文脈のなかで流動的に変化するものであり、また鍵盤のサイズ、タッチに応じても変化させる必要があることを教えることが必要であろう。現状のままでは鍵盤楽器への導入の役割を十分に果たしているとは言い難い。}, pages = {163--172}, title = {初等教育における鍵盤ハーモニカ学習の役割}, volume = {5}, year = {2016}, yomi = {ヤマモト, ミキ and ツツイ, ハルカ} }