@article{oai:naragakuen.repo.nii.ac.jp:00001596, author = {久保, 和弘 and Kubo, Kazuhiro}, journal = {紀要, Study reports of Narabunka Women's Junior College}, month = {Nov}, note = {1年間に冠動脈疾患によって死亡する人数はアジアで少なく、欧米では多い(人口10万人あたり)。ところが、フランス人は高脂肪食を好むにもかかわらず、欧米諸国の中で唯一、冠動脈疾患による死亡率が低い。これを「フレンチ・パラドクス」といい、1992年に報告された。この死亡率低下の原因は地中海式の食生活と大量の赤ワイン消費にあること、さらにその作用本体についても特定され、これが、我が国におけるワインブームの火付け役になったことは記憶に新しい。オリーブ油、ナッツなどからオレイン酸などの不飽和脂肪酸を多くとり、肉や乳製品は控え目で飽和脂肪酸を少なくとる。豆、穀類、魚、そして果実や野菜をたっぷり食べる-。このような地中海スタイルの食事をしている人々は心臓病やアルッハイマー病の発症が少ない。近年、この地中海型食生活と並んで、日本型食生活もまた、健康食として世界的なコンセンサスを得たように思う。その背景には、日本が世界一の長寿国であるという事実があるのだろう。コメ、大豆、魚を中心とした日本型食生活は、温暖で豊富な水が得られる気候条件に加えて、大量の魚が回遊する海に囲まれた生態環境がもたらしたものである。この魚食は、虚血性心疾患や脳梗塞などに対して絶大な予防効果を発揮する。その作用本体は、魚に含まれる高度不飽和脂肪酸(PUFA)であり、後述するように、特にドコサヘキサエン酸(DHA)の生理効果には注目すべきものがある。しかし、DHAは分子構造上、体内に存在する物質の中でも極めて酸化され易く、その関連物質は、虚血性心疾患や脳梗塞などの発生や増悪を充進させることが明らかにされている。実際に、動物試験では、魚油を長期間摂取すると、大動脈と心筋組織の石灰化や、腎臓における糸球体硬化症などを引き起こし、加齢と共にタンパク質尿症を悪化さることが報告されている。日本人に長寿をもたらすと考えられる日本型食生活と、その作用本体であるDHA-。本稿では、このDHAをめぐる対極的な現象、ジャパニーズ・パラドクスについて考えてみたい。, 16, KJ00004802103}, pages = {139--148}, title = {ジャパニーズ・パラドクス}, volume = {37}, year = {2006}, yomi = {クボ, カズヒロ} }